ワンライ挑戦

最近ワンライなるものがTwitterであると知って、挑戦してみました。

■ワンライとは(企画者様のサイト説明より引用)
ざっくりいうと、「ワンドロの文字版」です。
規定の1時間で真剣に文章を考えて書いてみよう!という企画になります。
このフリーワンライは『不定期開催、ジャンル形式完成度不問、お題は募集のみ』という形の企画になります。予めご了承ください。

使用したお題:星 泣いてしまえ(主従は入れたつもりですが全く関係なくなってしまいました)。
ジャンル:鋼錬・ロイアイ。
※注意:二次。イシュ戦ネタ。甘さは一切なく、ひたすら暗いです。
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

途中で切れるかもしれませんが、宜しければ追記からどうぞ。
一時間でどこまで書けるかな…。
※推敲していません。一発書きです。






風が吹けば埃の代わりに砂が舞うような砂礫の地で、独り佇む彼の後ろ姿を無言で眺める。
彼は動かない。ただじっと、空を見つめたまま。
そこには何もない。建物も、人も、植物さえも。
つい先程まで存在していたものたちは、全部焼き払われてしまった。
彼の、焔で。

自らが作った残骸。黒ずんだ建物の跡地と、燻った焼け跡から上る煙を眺めながら、彼はピクリとも動きを見せないまま佇んでいる。
背を見せた彼の顔は、こちらからは見ることが出来ない。

数分ほどそうしていた彼に、どこからか声が飛ぶ。
その声に初めて反応を見せた彼は、こちらへ向き直って足を動かし始めた。
近付いてくる彼の顔には、何の表情も浮かんでいない。
一切の感情を切り捨てたような顔。悲しみもない。苦しみも、悔恨もない。ただ深い、深い、無表情が張り付いているだけだ。

いっそ泣いてしまえば楽になれるのだろうか。
涙を流して、自らの生み出した灰塵に詫びれば、彼は楽になれるのだろうか。

でもそんなこと、出来るはずがない。
自らが選んだ道だ。自ら手を下した結果だ。
たとえその力が、誰かから……私から与えられた力であっても、行使したのは彼自身。
きっと彼なら、そう言うだろう。
自分には、嘆く資格も、悔いる資格もないのだと。

近付いてくる彼と目が合った。
見つめていたことを知られたくなくて、慌てて顔を背け、私も去ってゆく隊に戻る。これで今日の任務は終わりだろうか。疲れ果てた身体は、今すぐにでも休みたいと叫んでいる。
夜に行われた奇襲作戦。結果は成功だが、全く喜びが湧かない。
湧くのは虚しさだけだ。

空を見上げると、星が瞬いていた。
辺り一面砂だらけのこの地は、私が暮らしてきたどの地とも全く違う。
けれど星だけはどこも同じように輝くのだなと思った。
繋がっている。私たちが暮らしてきた地とこの地は、確かに繋がっている。
同じ大地なのに。同じ国なのに。守りたいと彼が言った、その中にこの地の人々も含まれていたはずなのに。
その人々を自らの手で葬り去らねばならない矛盾。
やりたくもない殺戮を、延々と繰り返さねばならない日々。
いつになったら終わるのかも判らない。

澄み渡った雲一つない夜空。
せめて雨でも降ってくれたなら、彼はその水滴に紛れて涙を流すことも出来ただろうか。
燻る煙を鎮めてくれる雨粒に、深く張り付けた無表情の奥に潜む哀しみを紛らわすことも出来ただろうか。
けれど星は皮肉なほどに輝き、空に浮かぶ月は砂を白く照らす。
救いなど一切ない、戦争という名の殺戮が繰り広げられる砂の大地を。

白く照らされた砂が、踏みしめる足に纏わりつく。
いつになったらこの足を止めることが出来るのだろう。
いつになったら、この戦争は終わるのだろう。
野営地に戻る足取りも、手に持っている銃も、そして脳裏に残る彼の無表情な顔も、全てがただひたすらに重かった。


* * *


目の前に広がるのは、黒く焼け焦げた残骸と、そこから燻る黒い煙。
そこには何もない。いや、何も無くなってしまった。
否、無くした。私が、この手で。

何かをしたかったわけではない。
ただ足が動かなかった。
自らが招いた結果。自らが犯した罪。
それらをじっと見つめて、目に焼き付ける。
背けてはいけない。見なくてはならない。そんな強迫観念も少しはあるのかもしれない。

何故こうなってしまったのか。
考えることは無意味だ。
力を欲した。守るための力を。
しかし実際手に入れてみれば、それは守る力ではなく、奪う力だった。この上なく強大な威力と共に。

力を手に入れたことが間違っていたとは思わない。
選んだ道が間違っていたとも思わない。
ただその両方を合わせた結果が、この目の前の灰塵だということだ。

悲しい、とは感じなかった。
何も感じない。否、感じようとすることを心が拒否していた。
突き詰めれば、深い後悔とやるせなさで潰れてしまうだろう。
だから何も感じない……という殻を被って、自らの心を守っている。
とんだ卑怯者ではないか。

背後から名前を呼ぶ声がして、振り返る。
こんなところで立ち尽くしていないで、戻って来いということだろう。
焼け跡に背を向けて、呼ばれた方向へ歩き出す。
すると、こちらを見ている視線とぶつかった。

責めているわけではない。同情しているわけでもない。
彼女の顔は、どこまでも無表情だった。
深く張り付いた無表情な瞳で、こちらを見ている。
何を思っているのか、その表情からは窺い知ることが出来ない。

こんな顔をするような女性ではなかった。
あまり大きく表情を動かす方ではなかったが、以前の彼女は、穏やかな笑みも、はにかんだ笑みも見せてくれる、ごく普通の女性だった。
その彼女が、今は見る影もない。
そうしてしまったのは、この地で行われる日々の任務だろうか。
それとも、私だろうか。
出来ることならば、私を責めたいのではないだろうか。
こんなことのために力を渡したのではないと、泣きながら私をなじる権利が、彼女にはあるというのに。
彼女は何も責めない。ただ無表情に、任務をこなすだけだ。

空を見上げれば、星が瞬いていた。
いっそ雨でも降ってくれたなら、その水滴に紛れて彼女も涙を流すことが出来ただろうか。
そして彼女の持つ冷たい銃も、濡れて使いものにならなくなってくれただろうか。
そうすれば、優しい彼女が殺戮を補助するようなことをしなくても良くなるのだろうか。

けれど星は皮肉なほどに美しく瞬き、月は何もない砂礫の大地を白く照らす。
先に進める足にその砂が纏わりついては、離れてゆく。
軽いはずのその砂が、重さなど殆ど無い焔を生み出す手袋が、そして脳裏に残る彼女の無表情な顔が、何故かひどく重かった。



23:27終了。
ロイアイと言えるのだろうか、これ…。
全然甘くなくてすみません。もっと甘いの書きたかった。
次に期待。(出来るならば)

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Re: このうえなく

すみません…スマホの誤タップで途中で投稿しちゃいましたorz(まだ慣れない)

今週も挑戦できるかはまだ当日になるまで判りませんが、今後も機会があれば挑戦してみたいと思っています。
コメント有り難うございました!

Re: このうえなく

コメント有り難うございます!
良かった~!ロイアイに見えましたか!
私は弟子時代の頃から二人は両想い(無自覚)だったと思っているので、二人が互いのことを多少でも考えていれば「ロイアイ…!」と思ってしまうんですけど、今回のは読み返してみたら微妙かなと…。
でもロイアイに見えたのなら、私の感覚もあながちズレ過ぎてはいないってことですよね(笑)。やった!

同化しすぎてすれ違ってる…確かに。
この頃の、互いを思いやりすぎて触れるに触れられない感じ、私も大好物です。
二人にとっては一番辛い記憶だろうと思うので、書くのは辛いですが、辛いけど好き!…みたいな…こう書くとMっぽい(笑)。

一発書きです!しかも一時間です。
いつも日記に載せている小ネタは大体一発書きなのですが、ワンライは更にそれを一時間で、という企画なので、いつも以上に大変でした。読み返すことも殆ど出来なかったり。
これでちゃんと仕上げるとなると、一度紙に印刷して推敲するんですが。
下書きを公開しているみたいで恥ずかしいですね(^_^;)
でも楽しんで頂けたのなら良かったです!私も楽しかった!

このうえなく

ロイアイだと思います。
甘いのも好きですが、一見甘くないのに同化しすぎてすれ違ってる感じも大好物です。
これが一発書き、、、?
素晴らしいです^_^
ありがとうございます
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氷上和奇

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