いい夫婦の日ですね

いい夫婦と言えばロイアイ。
ロイアイと言えばいい夫婦。

ということで、ふと浮かんだネタを書き出してみました。
ほぼ一発書きなので推敲していませんが、宜しければ追記からどうぞ。
あと、ロイが結構最低(マナー違反と言う意味で)かもしれません。それでもOKの方のみでお願いします。

本当は簡単にツイッターで140~280くらいに纏めようとしたんですが、それよりも長くなりそうだったのでこっちに書いちゃいました。ちょうど久々にPCもつけたことですし。
やばいもうこんな時間だw

↓いい夫婦の日小ネタ





 久しぶりに彼女の家に泊まりに来た夜。
 彼女は先程バスルームへと一人入って行った。
 先にシャワーを浴びていた私は特にすることもなく、床に寝そべっている彼女の愛犬をぼんやりと撫でる。
 が、今日は遊んで欲しい気分ではないようで、愛犬はふわあと大きく欠伸をすると目を瞑ってしまった。
 起こすのも可哀想だと愛犬から手を離し、相手をしてくれる者もいなくなった部屋をぐるりと見渡す。
 しかし必要最低限のものしか置いていない彼女の部屋は、彼女がバスルームから出てくるまでの暇つぶしになりそうな物は当然あるはずもない。
 ……そう思っていたのだが。
「ん?」
 ベッドの脇にあるナイトテーブルに何かが置いてある。
 近寄って見ると、それは一冊の本だった。厚さは2cmほどで、焦げ茶色の渋い表紙が付いているが、タイトルが何も書かれていない。
「何の本だ?」
 興味を引かれ、その謎の本を手にしてパラパラと捲る。すると中のページは真っ白で、そこに手書きの文字が並んでいた。筆跡は見慣れた彼女のもの。そしてページの上には日付が入っている。
「これは……日記?」」
 どうやら彼女は日記を付けているらしい。一番最初のページが約半年前となっているから、その時から付け始めたのだろうか。それともこれは何冊目かの日記なのだろうか。
 彼女にそんな習慣があるとは知らなかったが、さすがに内容を読むわけにもいかない。私はすぐにその日記を閉じようとした。
 が、そこに書かれた文字の一つがパッと目に入る。
『准将』
 ……それはもしや私のことではないだろうか。
 読んではいけない。そう制止する気持ちと、何を書かれているのか気になるという気持ちがせめぎ合う。
 そもそも彼女はあまり気持ちを表に出さない方だ。何か不満があっても、我慢をしていても、出来る限り自分の中で消化しようとする。もしかしたら言いたくても言えない気持ちがあるのではないだろうか。

 彼女の本音が垣間見えるかもしれない。
 その誘惑に、私は負けた。

 ほんの少しだ。ほんの少しだけだから。
 そんな言い訳を呟きながら、私はさっと自分のことが書かれている部分に目を通す。
『今日は准将が書類が間に合わないと嘆いていたので、そちらを手伝った。自分の方の書類の残りは十七件。明日には処理しなくてはならない。』
『明日は准将の視察。用意しなくてはならないものは●●と●●。』
『准将の顔色が少し悪かった。問えば睡眠時間が短いと言うので、仮眠を取ってもらう。』
「……」
 一ページに一日分。それぞれの文章は非常に短かった。
「これは……仕事日記か?」
 最初の頃から数十ページ飛ばして途中二か所ほど。ざっと目を通してみたが、書かれているのはどれも仕事のことばかりだ。彼女の悩みなど心情らしきものは殆ど書かれていない。数日分しか目を通していないが、おそらく他もそうなのだろう。
「彼女らしいといえば彼女らしいが」
 苦笑しながら日記を元の位置に戻そうとした私は、しかしその手を留めて、再び日記を勢いよく開いた。
 六月二日。八月十五日。九月二十日。パラパラと日記を捲り、さっと中身に目を通す。勿論それで全ての内容を詳しく読めるわけではない。
 だが、私の推測は確信に変わった。
 准将、准将、准将。その役職名が一ページに必ず一度は出てくる。ざっと捲っただけでも、その名前が無い日は見付けられなかった。
 つまりこれは、仕事日記と言うより、私の日記なのだ。

 私は日記を閉じて、そっと元の位置に戻した。
 毎日並ぶ名前代わりの役職名。一日の終わりに思い返すことが私のことばかりとは。
 見てしまった気まずさと罪悪感の中に、胸に滲んでくるような嬉しさが混じる。
 そこへ、バスルームのドアが開く音がした。
「准将? てっきりハヤテ号の相手をしてくださっているのかと」
 近付いてきた彼女が、置きっぱなしの日記に目を留めて見る間に険しい顔つきになる。
「……まさか、中をご覧になりました?」
「んー? ん、ああ、タイトルが書かれていなかったから、何の本かと思ってね」
 嘘を吐くわけにもいかず言葉を濁すと、彼女は厳しい目つきで私を睨んだ。
「読んだんですね」
「ほんの少し。だが日記と知ったから、全部は読んでいないよ」
 嘘は吐いていない。が、睨んでくる視線がやはり痛い。
 まるで降参を示すように両手を胸の前で上げながら苦笑いを浮かべている私に、彼女ははあと大きく溜息を吐いた。
「別に、見られてまずいようなことは書いていませんから、いいですけど。置きっぱなしにしていた私も悪いですし」
 諦めたような表情で日記をナイトテーブルの引き出しへしまう彼女は、さほど機嫌を損ねているわけでもなさそうだった。それでつい気が緩んでしまう。
「ふうん」
 まずいようなことは書いていない、ね。
 思わず浮かんだ私の笑みを見止めた彼女は、怪訝そうに柳眉を顰めた。
「何ですか?」
「あ、いいや、別に」
 すぐに誤魔化して表情を元に戻そうとするが、にやける口元が抑えきれない。
「何ニヤニヤしているんですか。そんなに変なことを書いてましたか?」
「そう言われても、殆ど読んでいないからなあ」
「じゃあ何故そんな顔をしているんです。ちょっと、准将!」
 詰め寄ってくる彼女から目を逸らしながら、ついつい口角を上げてしまう唇を手で隠す。ポーカーフェイスは慣れているはずなのに、どうにも顔が言うことを聞いてくれない。
 自覚がないだけなのは解っている。彼女は本当に一日のまとめのつもりで書いていたのかもしれない。
 けれど。
 頭の中が自分のことでいっぱいだと知って、にやけない男がいるのだろうか。

 納得がいかない様子で睨んでくる彼女を宥めながら、私は暫くの間、緩む口元を抑えることがどうしても出来なかった。



ロイは勝手に読んだりしないだろうという気持ちはあったのですが、どうしても「日記を書いてもロイのことばかり書いてしまうリザさん」をやりたくてこういう形になりました。
最初は「日記を書いても仕事日記になってしまい、最終的にロイ日記になってしまうリザさん」の予定だったのですが。
浮かんだネタと書き出したネタがなんとなく違う方向になってしまうのはよくある話。

あまりいい夫婦っぽいネタでもないかもしれませんが、書いていて結構楽しかったです。
結局いちゃいちゃ。勝手にやってろな感じでw
夫婦には違いない。

しかし書き出してみたら、これ面白いのかなとちょっと悩んだw
まあいいか。とにかく形にするのが大事。(自己暗示)

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氷上和奇

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