月砂漠 Diary

漫画感想や日常話などのよろず日記です。同人・二次創作要素を含みますのでご注意ください。

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蒸し暑い夜更け、ベッドの上で微睡んでいると、リザがバスルームから出てきた。「お待たせしました」「いや」ベッドから抜け出してバスルームへ向かおうとすると、リザが頭をタオルで拭きながら顰め面を見せる。「何か着てください」「どうせ今からシャワーを浴びるんじゃないか」
06-19 02:04

「そういう問題ではありません」ぷいとそっぽを向くリザの背中に自然と顔が綻ぶ。さっきまでさんざん見た身体だろうに、我に返ると恥ずかしいのだろうか。そこが彼女らしくて可愛らしい。が、その露になったうなじを見た途端、笑顔が固まった。
06-19 02:05

丸い襟首は少々ゆったりしていて、うなじの下まで肌が見えている。そこから僅かに覗く、火傷の痕。それは昔、他でもない自分がつけた傷痕だ。「中将?」動きを止めた私を訝しんで振り向こうとするリザに、慌てて先程と同じ笑顔を作る。
06-19 02:07

「いや、そのうなじを見ていたらもう一ラウンドくらい行けそうだなー、とね」笑いながら言うと、ギロリと睨まれた。「お断りします。明日は仕事なんですよ」言うと思ったけどね、と軽く返しながら、鋭い眼光から逃れるようにバスルームへと入る。
06-19 02:08

こうして同じベッドで過ごすようになってからもう随分経つが、最初の頃のリザは、どんなに暑い日でも決してうなじが見えるような服を着ようとはしなかった。私以外の人間ならともかく、私にくらい見せてもいいだろうと思ったこともある。だがすぐに気付いた。
06-19 02:09

私だからこそ、リザは見せようとはしなかったのだと。情事の時に見ても何も言わない。けれど普段は……冷静な時に見れば、私が昔を思い出して辛くなるとでも考えていたのだろうか。そんな彼女がこういう涼しげな格好をするようになったのは、その背中に数えきれないほど触れてきた、ここ最近のことだ。
06-19 02:10

確かに、見れば思い出す。けれどそれを悔いるのではなく受け止めて進むと決めた今では、それは所詮過去の思い出に過ぎない。……その分、大切にしようと決めた。傷付けた事実は取り消しようがないが、その分二度と繰り返さないと決めた。だから今、その傷痕を彼女が気兼ねなく見せてくれることが、
06-19 02:10

それほどまでに打ち解けてくれたことが、純粋に嬉しい。彼女のあの背中を見られるのは、この世では自分だけ。自分だけだ。綻ぶ顔に独占欲が混じる。それを彼女に気取られないようにと、私はシャワーから流れてくる湯水を頭から掛け、先程の情事で付いた汗と共に排水口へと洗い流した。
06-19 02:11

終わり。暑くて寝苦しい夜ですね。湿気が嫌だ…(;´д`)
06-19 02:11

2012.06.20 03:36 | ロイアイ | トラックバック(-) | コメント(0) |












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